我が相撲道に一片の悔いなし 稀勢の里自伝
荒磯寛(元横綱稀勢の里)
「私の相撲道において、一片の悔いもございません」。きっぱりとそう語り、土俵を去った横綱・稀勢の里。 目先の勝利を求めて小細工に走ることなく、 正々堂々と 真っ向勝負を挑む姿が全国の相撲ファンの心をわしづかみにした。 数々の試練を乗り越えての初優勝、横綱昇進、 大ケガを負いながら奇跡の逆転Vなどドラマを土俵に刻んできた。 現役時代は多くを語らず、黙々と土俵に上がり続けた 横綱が、 引退して荒磯親方となり、第二の人生に踏み出した今、これまでの思いと貫いてきた相撲道を。飾らない言葉で振り返る。