風に立つライオン
さだ まさし
1987年、熱い志と明るいエネルギーを持つ日本人医師・航一郎は、恋人を長崎に残し、ケニアの病院に向かった。劣悪な 環境で奮闘する航一郎の前に、激しい銃創を負った少年兵・ンドゥングが現れる。心を開かないンドゥングだったが、 航一郎の熱さ優しさエネルギーを受け、少しずつ変わっていく。そして、遂に医師を志すことを決意するまでにいたる。 しかし、その後、航一郎に哀しい運命が訪れ――。
2011年3月、医師となったンドゥングは、津波に襲われた石巻を訪れる 。そこで出会った避難所明友館のリーダー・木場に航一郎の面影を見る。木場と共に被災者に寄り添うンドゥングは、 ある日、かつての自分と同じような目をした少年に出逢い……。ケニアの日本人医師から、かつての少年兵、そして 被災地の子供へ。「心」のバトンが繋がった。