亥の子ころころ
西條 奈加
 武家出身の職人・治兵衛を主に、出戻り娘のお永、孫娘のお君と三人で営む「南星屋」。全国各地の銘菓を作り、味は絶品、値は手ごろと大繁盛だったが、治兵衛が手を痛め、粉を捏ねるのもままならぬ事態に。不安と苛立ちが募る中、店の前に雲平という男が行き倒れていた。
 聞けば京より来たらしいが、何か問題を抱えているようで――。
 親子三代で営む菓子舗を舞台に、人の温もりを紡いだ傑作時代小説!