ひとたびはポプラに臥す(3)
宮本 輝
 暑く、乾いていて、砂まみれ。風土だけでなく、体までもだ。新疆(しんきょう)ウイグル自治区・トルファンは、多様な歴史と文化が混交し異域の色彩に満ちている。
 彼の地を抜け、天山南路をひた走る旅は西安から3550キロを経てクチャに辿り着く。かつて高徳の名僧たちが訪れた故城に佇(たたず)み、著者は自らの使命を思う。