ひとたびはポプラに臥す(2)
宮本 輝
  灼熱の大地に生き、滅んでいった数多くの民の足跡を辿る。 感動を呼ぶ長篇紀行第2弾。
  行けども行けども灼熱の砂漠はつづく。蜃気楼と竜巻のなか、旅の一行は仏教文化の中心都市・敦煌(とんこう)を経て、ついに天山山脈の見えるところへやってきた。厖大(ぼうだい)な雪解け水で民を潤わせ、またそれによる洪水で一夜にして一国を消失させること数限りない峰々。著書はこの厳酷の地に生きた人々の人生に想いを馳せる。