ああ言えばこう行く
阿川 佐和子、壇 ふみ
 人の悪口ほど聞いていて気分が悪くなるものはない。  それが自分に対してなら一層目くじらも立てたくな るもの。しかし、なぜかそんな切羽詰まった空気は本 書にはない。お互い了解しているようで、悪口を書く ことで笑いをとれればいいじゃん、そんな感じすら漂 っている。
 「それは『愛』、これも『愛』」と言い切 ってしまっているから、この二人の関係、ただもので はない。まぁ、五十歩百歩、猿の尻笑いなんだけど…。